橋本先生のポートレート講座第13期は、「有名作家に学ぶ」シリーズの第3段、「上村松園」に学ぶです。上村松園は、数々の美人画を残してきた日本画家ということです。
写真の場合は、やむをえずこうなってしまっているという面もある。しかし、絵の場合は、何日何時間もかけて、描いているものであり、しかたなくこうなってしまっているといった所はない筈である。ある意味、答えを描いてくれている。絵は、レンズを通して写すのとは違う面もあるが、学ぶことはたくさんあるということです。
モデルは、第12期のときも登場いただいた加藤すみれさん。今回は浴衣を着て頂きました。
まず、上村松園の「序の舞」という作品です。この絵のように、凛とした姿を撮ることになります。
最初に撮ってみた写真はこれです。
その後、先生の指導で、標準レンズを使い、カメラを水平(上下に傾けないで)にして、高さは、被写体の胸の高さ、それで、足がぎりぎりレンズの端に入るように近づいていく。そうすると、上が空きすぎてしまうが、そこはトリミングする。このように撮ると、中心に近い部分は、歪まないで綺麗に写り、足の部分は少し伸びて撮れる。標準レンズであっても、多少の歪みがあり、周りにいくほど伸びる傾向があるということです(大体、換算100mm程度まではこの傾向があるということです。)。これが、こういった写真を撮るときのセオリーだということです。また、ポーズを修正(足を少し前後にして、前に出ていくような雰囲気を出している。浴衣の脚の部分の後ろがまっすぐだったのをややくの字型になるようにしている。)した写真がこれです。
座学のときに、先生から「序の舞」をあらためて見ると、実際は、セオリーどおりではなく、アングルが胸の位置よりも上から見た絵になっていると訂正が入りました。ただし、先生が撮影してみせた写真では、前に出ようとしている感が元の絵にはあるが、それを別の形で出そうとしたと言える、ということです。
全身を写すときのポートレートのセオリーですが、女性の場合、靴が少し高めなので、あまりアングルが低いと足の甲が写らなくなるので低すぎてもいけない。また、胸の位置くらいで撮れば、足が長く見えるという効果があるが、顎を少し下から写すことになるので、顎が綺麗に写っているか気をつける必要がある。少し顎を上げてもらった方が良い場合もあるということでした。
なお、着物を撮る場合には、50mmよりももうちょっと望遠、換算で85mmいかないくらいがいいということでした。ただし、序の舞の絵はレンズで言えば、100mmくらいの絵であるということでした。着物撮るってあまり機会ないよなーと思っていたら、今年初めに撮ってました。でも、そんなこと意識してなかった。
伊藤松園の「待月」は、第11期のサラ・ムーンのときの座学でも話題として出た絵です。柱の向こう側にやや前かがみになって立っている女性の絵が題材です。
写真を撮るときに、普通はこんな邪魔になるようなことはしない。写真で、前ボケとして入れるのが近いが、いい具合に前ボケとしていれているのと違い、この絵では、わずらわしい感じとなっている。柱は不協和音を醸し出している。それが、現実のどうにもならないわずらわしさ、そういったニュアンスを出そうとしたのではないか、ということでした。わざわざ自分の絵を割って、思い通りにならないことを表現したのではないか、ということです。また、柱にもたれるという絵としてなら、別にそのような絵もあるのだそうです。
まず、絵のとおりになるように撮影してみたのがこの写真です。
なんだかただ立ってる感じですね。そこで、受講生のOさんが、木製の洗濯バサミのようなものを取り出して、足の部分のラインがカーブをえがくように工夫をしました。また、もっと前かがみになってもらったところです。更に、ライトで少し光をあてているのですが、「序の舞」の撮影をした位置のままであったので、背中から光が当たっていました。それを前からに直しました。
そして撮ったのがこの写真です。
結局、元の絵のようにはなかなかならず、体が細長い人ではないと無理なのかもしれません。また、足の部分を洗濯バサミのようなもので留めましたが、足を曲げてもらうなどして、もっと曲線を出した方が良かったということでした。
さて、この講座は、絵画に学ぶということで、形をそのまま真似て、撮って、学ぶということもしますが、元の絵そのまま真似るのではなく、その絵から自分なりに解釈したことを、写真にしてみるということもします。いわば応用です。
この絵の柱で分割していることに着目して撮影したのがこれです。
柱の右側は、すみれさんの顔を含めた上半身を中心、左側は花と下半身が中心で、それぞれ、柱の右側と左側で、違うテーマになるけれども、両方あわせて一つの絵となる写真として撮影してみたものです。もっとも、松園の元の絵は、柱の右側、左側の独立性はそんなにないような気はします。
次は、伊東深水の「ささやき」です。松園の絵は、引きの画なので、アップの美人画として。なお、橋本先生からは、更にアップの絵ということで、「ささやき」の顔の部分を中心にトリミングした絵として撮影するようにということでした。
しかし、この絵は、女性二人の絵です。モデルが二人必要なのですが、今回はすみれさん一人。もう一人は、先生がやることに・・・。(´・д・`)ェー。鏡を使ったらという提案も出ましたが、これは勉強なんだから、ということでそれで撮ることになりました。
でも、撮るにあたっては、主題となる一人を中心として、もう一人は人がいる気配が出せれば良いということでした。そのためには、もう一人は、ボカすとか、画面を切るとか、隠すとかするしかないということです。
それで、撮影した写真がこれです。
先生にも浴衣を着てもらうと良かったですね。
座学のときに、先生の顔はもっと隠してしまえば良かったと言われました。例えばということで、いろいろな日本画を示され、子守をしている女性の子供を鯉のぼりで隠してしまうとか、二人の女性がいるのだけど、一人は傘で隠してしまうとか、しっかり描いても良い筈のものをあえて隠して、本当に見せたいものに目が行くようにしている、ということのようです。
また、女性二人の場合、両方ともそのまま入れてしまいがちだけど、顔というのは目立つものであり、それが二つあれば、視線が散ってしまう。一人の美しさを見せるのために、あえて、片方は隠すというのも方法ということのようでした。
最後に、西山翠嶂の「槿花」です。女性が花の前に座って少し見上げるような絵です。槿花とは儚いことを意味するのだそうです。座学のときに、それを先に言ってよ〜と思いました。儚い感じを絵から読み取れば良かったのですが、あまりそんな感じを意識はしていませんでした。先生が撮った写真は確かに儚い感じがしていました。
まずは、構図等をなるべく似せて撮ってみようとしたのがこれです。
(ー'`ー;)ゥーン 少し前かがみすぎました。これは、足元が少し不安定な場所だったので、こうならざるをえなかったのです。また、陽の光があたっています。別の場所にするか、光をさえぎるべきでした。花も色がとんでいるようです。
同じ場所でレンズを変えて撮ったのがこれです。こちらの方がバランスはいいですね。
でも、座り方が窮屈だったので、シートを敷いて、その上に座ってもらい、正面からも撮りました。これも陽の光をもう少し気をつけるべきでした。左耳も明るすぎます。
そうそう、室内での撮影のとき、私のリクエストで薔薇をくわえてもらいました。ステキ(*´Д`*) 。すみれさんのブログのプロフィールの写真に使ってくれとリクエストしたら、本当に使ってくれましたよ(゚∀゚)。なお、薔薇をくわえるときは、口ではさむというより、歯にはさむと、いい感じになることを先生からアドバイスがありました。さすが先生、薔薇のくわえかたまでマスターされているとは・・・。
以上です。第11期もそうでしたが、1回目が撮影、2回目が1回目を踏まえた座学、3回目が更にそれらを踏まえて撮影するということになります。座学が間に入ると、ただ撮りっぱなしにならなくていいですね。以前も、質問があればいつでもOKということだったのですが、先生も座学のためにいろいろと考えて下さいますし、とても勉強になったように思います。
次回は、モデル二人です。洋服での撮影となるのですが、日本画からどう読み取ってどう活かすことになるのでしょうか。
ラベル:橋本先生のポートレート講座 D5000
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にしにゃーさんは頭の中で描かれているイメージがとてもあるようで、本当にお写真が好きなんだなぁと思います(*^o^*)
私も早くにしにゃーさんのようなお写真が撮れるようになりたいです♪
きっと、すみれさんが写真を撮るようになると、モデルにどうして欲しいのかが分かってきて、より良い写真を撮れたり、撮られたりするようになるのではないかと思いますよ。