2015年04月28日

NHK文化センター 安井豊彦先生のポートレート講座(2015年3月)



安井豊彦先生のポートレート講座、2014年度後期最終回です。

今回も、α99ではJPEG+RAW、X-M1ではRAWのみで撮影しました。そのおかげで撮影終了後、ランチをみんなで食べる前に、JPEGで保存したファイルをさっとiPadに読み込み、モデルさんに見てもらい、食事中にはX-M1のRAWファイルを読み込み、食後にそれも見てもらい、その場で一枚一枚見てもらいながら、お気に入りの写真を選んでもらったりもしました。

自分が良いと思う写真とモデルさんが選ぶ写真が異なるのが面白いですね。モデルさんが選ぶのは、どちらかというと、目がぱっちり開いている写真。私が選ぶ写真はむしろ少し閉じかけの写真。






Haruka Nakaura 01

(1) α99 Sonnar T* 135mm F1.8 ZA 1/160 f/1.8 ISO3200



【講評】目元がなんとなく思わせぶりなところを気に入られたんでしょうけど、それと髪の毛を掴んでる手がご本人には印象的なポーズだったんでしょうけど、目が半つぶりなだけと思わせられる。いかにもこういう女性ポーズをとった方が面白い写真になりますよみたいな作者の思い込み、そういう要素が強くこちらに向かってくるので、今までの彼女の表情を見ている感じるからすると、少し残念かなと。やらせならやらせだと、もっと極端に、演出が活きるようなやり方でよかったんじゃないかなと、もっと露出を抑えてコントラストを大きくして、光をにじませる感じでよかったんじゃないでしょうかね。














Haruka Nakaura 02

(2) α99 Sonnar T* 135mm F1.8 ZA 1/160 f/1.8 ISO320 *



【講評】この場所をうまく活かしているかなという気もしますけど、ちょっと構成的な絵作りで、もっと余裕があってもよかったんじゃないか。広く左のほうまで入れて。もっともっと写真を自由に広く捉えて考えていかれた方がいいのかなという気がしますね。














Haruka Nakaura 03

(3) X-M1 XF35mmF1.4 R 1/125 f/1.4 ISO200 *



この写真は、モデルさんは選んでくれたものです。私自身はそれほどとも思わなかったのですが、わりと浅い色だったところ、色合いや明るさなどを調整していったら、なかなかいいねと思うようになって選びました。

なお、こういった日本家屋は建物に対してレンズを平行にしておかないといけないのですが、あまり気にせずに撮影してしまったので、LightroomのUprightでちょっと直しています。


【講評】モデルさんの表情を見ても分かるように覇気が無いですし、構成そのものも、特に何か工夫されというのは、この柱を前にもってきたということくらいで、あまり、この場所で撮られる意味合いみたいなものが深くないような気もしますね。もっとこの場所をうまく活かせられたという感じがしますね。














Haruka Nakaura 04

(4) X-M1 XF35mmF1.4 R 1/4000 f/1.4 ISO3200



【講評】これは可愛らしい、目が力強くていいかなという気がしますけど、ちょっと物足りない。カメラを構えて、目をぐっと見てもらってポーズをとって、ちょっと時間がたってる、そんな感じがしますね。肩の部分も力が抜けてしまって全体に張りのない状態を感じてしまう。














Haruka Nakaura 05

(5) α99 Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM 35mm 1/60 f/2.8 ISO800 *



【講評】これが一番いいですよね。このトンネルの中でまるで凍えそうな、実際にはこんな表情も仕草もしなくて暖かい場所に逃げていけばいいんですけど、そういうことは別にして、いかにも寒い、ちょっとわざとらしいと言えばわざとらしいけど、それは、この周りの石のトンネル、暗い、でも、そういう意味ではちょっと明るすぎますよね、もう少し暗くされた方が、良かったのかという気もしますけど、でも面白いですよね。














Haruka Nakaura 06

(6) X-M1 XF35mmF1.4 R 1/160 f/1.4 ISO200



【講評】たまたま目線の上に植物が垂れてますけど、これを見ているという感じじゃなくて、空を見ているんでしょうけど、寒空を見上げてるというふうにしては、ちょっと体の表情が穏やかと言ったらいいのでしょうか、緊張感がないと言ったらいいのでしょうか、それが両方の腕にも現れてると思うんですけど。ただ植物が垂れている、それで上を見ている、そういう関連で絵作りをされたのかなというふうにしか捉えられない。演出というか、作るというのは難しいですね。よほど初めからイメージがあって1枚の写真を撮るために1日かけるくらいのつもりで作っていかないと難しいでしょうね。














Haruka Nakaura 07

(7) α99 Sonnar T* 135mm F1.8 ZA 1/160 f/1.8 ISO400 trimming *



【講評】これ表情はいいと思うのですけど、そうなると、目が中途半端。いい瞬間を撮ろうとして演出されたものが、逆にそのためにせっかくの彼女自身の魅力をそいでしまっているというのが残念。絵を作るのも大切ですけど、彼女の良さを引き出してやろうとする気持ち。まず原点に帰るというのが一番じゃないでしょうかね。














Haruka Nakaura.jpg

(8) α99 Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM 24mm 1/60 f/2.8 ISO400



【講評】これも、先ほどと同じように、彼女の違う面を見てみようとして作ったものでなんでしょうけど、その前に、彼女の本当の表情、自然な表情、見たまま、ありのまま、まずそこから始めることが必要ですよね。そこから派生した表情として捉えられたものであれば、また違ったのではないでしょうか。














Haruka Nakaura 09

(9) X-M1 XF35mmF1.4 R 1/80 f/1.4 ISO200



このときに、受講生の一人が、LEDライトのVL-540Cを持って来られていたので、それをお借りして、小型レフ板に反射させて光を補いました。このVL-540Cが上着のポケットに入るくらいコンパクトで軽いのに、光量もそれなりにあり、これは(・∀・)イイ!!と思いました。


【講評】これも随分と落ち着いてしまってますよね。目の輝きを失ってどこを見てるか分からない。ありのままの彼女、変わったこと、違うこと、皆さんとはちょっと視線を変えてみて、考え方を変えてみてというのは大事なことなんて図けど、そこがまず最初にあるというのではないと思うのですけどね。














Haruka Nakaura 10

(10) α99 Sonnar T* 135mm F1.8 ZA 1/160 f/1.8 ISO1600 *



この写真はなんだかいいですよね。なんと言ったらいいのか、こういう感じに当てはまる表現があるような気がするのだけど。モデルの人も、この写真を見たきにわーって感じで、他の人にも見せていました。


【講評】(この写真というより、全体を見て)こうして見ると、皆さんとは違った写真を撮ろうというのが感じられる。でも、それが自分らしさじゃないと思う。 出てくる写真はちょっと変わったこと、違ったこと、面白いこと、極端なことをやろうとしてるとしか思えない。その中では、この写真(5)が、じっと見てい て、何かストーリー性みたいなものを感じさせてくれる1枚なのかという気がしますね。














Haruka Nakaura

X-M1 XF35mmF1.4 R 1/200 f/1.4 ISO200 trimming *


この写真は、予告編で載せた写真ですが、講評にも出すつもりでした。でも講評のときにこの写真がなくてあれ?って思ったのだけど、既に10枚分は出してしまっていたのでした。









ところで、今回、モデルさんにiPadでお気に入りを選んでもらったと書きましたが、Aperutreで読みこめば、同じApple製品ですし、お気に入りが引き継がれると思ったのだけど、そんなことはなかった。フラグとお気に入りは違うのですね。それならイメージキャプチャで読み込んだらいけるだろうかと思ったけどそんなこともなかった。ヨセミテの写真なら引き継がれるのかもしれないですね。

それで、なんでそんなことをしたいかと言えば、ファイル名を確認したかったから。連写で撮っているので、微妙に違う写真があり、どれが本当にモデルが選んだ写真かどうかをMac上でも確認したかったのです。iPad用iPhotoがあれば多分それでファイル名が確認できたと思うんだけど、iPhotoはiOS8に対応していない。それで、iPad上でお気に入りというアルバムにiCloud上で共有し、それをAperureで閲覧し、オリジナルファイルを書き出すということをやってみた。そうしたら、ファイル名が変わってしまっていた・・・。結局、写真の撮影日時から判断することに。しかし、連写なので、秒まで一致したりしている。また、それだけの短時間なので、当然ながらほぼ同じ写真。これはもうどうしたものか。微妙な差を見つけたり、iPad上の写真の順番を確認して特定していきました。ε-(;ーωーA フゥ…。まあ、そこまで同じなら、どちらでもいいじゃんという意見もあろうかと思いますが。ちなみに、*が付いてる写真はモデルさんが選んだ写真です(実際は27枚選んでいます)。

さて、安井豊彦先生のポートレート講座、受講して2年近く経ちましたが、私が受講するのは、ひとまずこれで終了です。なぜなら、私はまた新天地に旅立つからです。写真というのは、撮ってブログに載せるのも楽しいのですが、講評を聞いたり、写真やカメラの話をしながら食事をするのも楽しいものです。NHK文化センターでポートレート講座を実施しているのは、今のところ、安井豊彦先生の楽しく撮れるポートレートのみ。お近くの方はぜひ受講されてみたらよろしいかと思います。






ラベル:FUJIFILM SONY
posted by nishinyah at 22:33| Comment(2) | Portrait | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする