安井豊彦先生のポートレート講座、2014年度第3回目の撮影です。昨年の
今頃と同じく、イルミネーションでの撮影です。
α99 Sonnar T* 135mm F1.8 ZA 1/160 f/1.8 ISO200
撮影はイルミネーションが始まる前の夕方から開始です。
【1】X-Pro1 XF35mmF1.4 R 1/60 f/2.8 ISO500
【講評】これは寒い中良くやってくれたと思うんですけど。分からなくはないんだけど、難しい。いいとは思うんだけど、なんかちょっと別の意味でちょっとひっかかるものがある。表情も別にわるくはないんですけど。なんなんでしょうかね。
【2】α99 Sonnar T* 135mm F1.8 ZA 1/160 f/1.8 ISO800
この写真は、最初、セレクトしていなかったのですが、見ているうちになぜだか目にとまったので選びました。
【講評】この椅子が線の細いパイプで作られているものですから、パッと見た瞬間にこの石の上に座ってるような感じがあって違和感がしますよね。
【3】α99 Sonnar T* 135mm F1.8 ZA 1/160 f/2.0 ISO800
モデルに動いてもらって、一番良いと思う写真を選びました。壁とか周りをもう少し入れてもいいかなとも思ったのですが、135mmで撮っていて、これ以上後ろに下がれませんでした。少しだけ夕陽的な光が当たっていますが、これは、先生がそういう色のフィルターを付けたLEDライトで照らしてくださっているからなのです。
【講評】こういうフレームをうまく活かす撮り方というのは、もう少し考えられても良かったのかなという気がする。これなら、Photoshopのフレームでポンと枠を作ったような感じがあって人工的な感じがする。どうせやるなら、この枠をもっと太くして、彼女にもっとシャープな表情とかポーズをしてもらって、全体をクールな感じで構成された方がよかったのでは。
【4】X-Pro1 XF35mmF1.4 R 1/60 f/1.4 ISO640
この写真は、実は髪の毛を手で靡かせてもらった直後の写真。どうして靡かせている場面を選ばなかったというと、手で顔が少し隠れてしまったからなのでした。
【講評】こういう彼女のポーズと表情が、ここ【3】にあったら、合ったんじゃないですかね。
【5】X-Pro1 XF35mmF1.4 R 1/60 f/1.4 ISO500
顔の影が少し複雑になっているので、もう少し影のでき方を整理したかったかなと思います。これ以降の写真は全て先生がLEDライトで照らしてくださっています。この写真について言えば、私が持ってきた
LEDライト
も併用していたかもしれません。
【講評】これは背景のLEDが綺麗。青白い光が背景に点々とアーチ上の部分が見えてますけど。表情がいいですね。口をへの字にして、目もホントに力なく。顔の筋肉そのものが力なくだらっとしているのがいいですよね。こんなぶっきらぼうな表情がポートレートとしてどうか、でも、ポートレートにどういう表情でなくてはいけないという定義はない。ちょうど今、篠山紀信展をやっている。篠山紀信は無理に笑顔を作っていない写真が多い。その人らしさをそのまま。要するに写真というのは、心の窓であったり、その人の鏡を見るようなものだと昔から言われていますけど、被写体の人物そのものが自分の写し絵と言ったらいいのか、そういう感じがしますよね。素の表情がこれだけではないですけど、素の表情の一角を見せてくれているんじゃないか。そこがいいと思う。綺麗な女性のポートレートではなくて、彼女の等身大の絵がここにあるという意味で、私はこれを見ていて興味深いし、じーっと見てられる。人物もいいし、背景もいいし、いい写真。
【6】X-Pro1 XF35mmF1.4 R 1/60 f/1.4 ISO1000
【講評】たしかに、背景は綺麗だと思うが、写真を作っている。モデルがモデル自身ちょっと自己主張してしまってるのがどうかと思う。自己主張するなら、本当に格好いい、綺麗な自分をそこに晒してくれているのならいいと思うが、それっぽい姿でしかない。ちょっとだけ作った笑顔とかポーズというのは、見てる側もスッキリしない。
【7】α99 Sonnar T* 135mm F1.8 ZA 1/160 f/1.8 ISO3200
この写真は最初撮ったときに影が濃かったので、私の持ってきたLEDライトも少し足して影を薄くしています。なお、こことほぼ同じ場所で撮って、向かって右側からのみ光を当てて、顔左半分を完全に影にして撮っていらっしゃる受講生の方がいましたが、なかなか格好良くていいなと思いました。
【講評】これは普通のポートレートの範疇に入る。普通のポートレートで良いんですよ。これはこれでいいんじゃないですか。こういう枠組みにある写真というのは、これは世の中に認知されてますし、それはわるいと言うつもりは全くない。露出も合ってる、レンズワーク、カメラワーク全てうまく処理されているけれども、それが逆に言うと、型にはまっているというか、ちょっといいねっていう言葉以上の魅力がもうちょっと紡ぎだしてくれないと。彼女の表情もかんばってこちらに向けてくれているし、フードの中で表情もめいいっぱい主張してくれて。背景のボケも綺麗。なんて言ったらいいのか、佳作っていう感じがしますよね。つぼをきちんと抑えて、この場でこれ以上のものは撮影できなかったと思うんですけど、結局、これは技術さえ習得していれば、たくさん撮れる写真。つまり、つぼさえ抑えていれば、どんどん撮れていける。そういう意味での、型に押したようなところがあって、この型をちょっと崩してみたら、もっと魅力のある写真にしていけるんじゃないですか、ということが言いたい。
【8】α99 Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM 55mm 1/30 f/3.2 ISO6400
少しだけ顔に当たる光が強すぎるような気もします。
【講評】これ【8】とこれ【7】を並べてみると、いいんじゃないですか。これ【7】の弱かった部分がこれが補ってくれますよね。これとこれを2枚組み合わせると、型に嵌ってるとは違う意味で、型が大きくなる。こちらを見ている彼女の視線がこの2枚を通じて、1枚ずつではあまり感じなかったものが、この2枚を並べることによって全然パワーが違ってきますよね。1枚よりも2枚並べて見た方がいい。
そして、2枚並べて見ましたが、【7】は顔の部分が潜ってしまっているということで、先生はトーンカーブの真ん中あたりを上に、左側の方を下にやや下ろして、全体を明るく、背景を暗くしめるということをされました。ただ、背景の光までこれ以上明るくしたくはないということだったので、家に帰ってから、Lightroomを使って顔周辺を明るく、背景はあまり明るくしすぎないように調整したのがこの写真となります。なお、元々、暗い所で撮っている写真であり、ISO3200ということもあって、あまり露出を明るく調整すると、とくに、顔の影の部分に不自然なところが出てきたので、明るさを抑え気味にしていたのですが、この程度なら問題はないと思います。
以上となります。他の受講生の写真は
こちらでご覧いただけます。
ちなみに、今回の撮影をしているときにα99にトラブル発生(๑´• з•̀๑) 前にも書きましたが、背面の右上のダイヤル部分のゴムがとれてしまったのです。もともと、撮影前に取れかかってはいたのですが、完全にとれてしまいました。完全にとれてしまうと、このダイヤルを使った操作はできなくなります。撮影終了後、ソニーストアに持ち込むと、ゴムの部分だけでなくユニットごと交換になるということでした。しかし、この部分のダイヤルは少し重いというトラブルがあった機種があるので、それに相当していれば、無償での交換となるということだったので、そのまま預けることに。結果、有償ということでした。もともと、長期保証に入っていたので、一度返してもらって、後日、改めて修理に出すことにしました。とりあえずは、この後も撮影があるので、しばらくの間は、背面右上のダイヤルを使わないで使用することになります。私は絞り優先で撮っており、α99は前面にもダイヤルがあって、そこを使えば、絞りを変更することは可能なのでした。なんだか、ポートレート講座の記事を書いていると、α99関係のトラブルの話が多いような気がしますね。
posted by nishinyah at 23:33|
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