何が良いのかっていう話を最近よく見たり聞いたりします。私もなんだか語りたくなってきたので、いろいろ書いてみようと思います。
■フルサイズかAPS-Cかマイクロフォーサズか
画質に影響する撮像素子の大きさをどうするのかということになりますが、初めて買うのなら、APS-Cで十分ではないでしょうか。もちろん、最初からフルサイズにしても良いのですが、カメラ本体価格だけでも、2、3倍以上はします。そして、APS-Cの方が市場での競争が激しく、世代交代も早いので、例えば、一世代前くらいの、しかし性能的に十分なカメラを安く買うなんてこともできます。フルサイズだと、レンズも含めれば、最低でも20万円以上はかかると考えなくてはならないでしょう。私自身は、α99というフルサイズのカメラを使用していますが、APS-Cの撮像素子のカメラも現役で使用しています。
オリンパスやパナソニックのマイクロフォーサーズは、世代交代も早く、安く購入しやすいと思います。ただ、マイクロフォーサーズの記事を見ると、一昔前のAPS-Cに引けをとらないといった記述を見たりして、だとすると、今のAPS-Cの方が良いのではないかと思ってしまいます。でも、撮像素子がAPS-Cよりは小さいとは言え、いわゆるコンパクトデジタルカメラよりは大きいですし、またデザインや大きさも、ちょっとカメラ女子が持ったりするには良い感じのような気がします。また、撮像素子が小さめということは、ボケにくいということでもあります。ボケというのは、効果的に使うと立体感のある素敵な写真になりますが、あまりボカしたくないときもある筈です。それに、いろいろと多様なレンズが発売されているので、レンズである程度カバーすることもできます。
とはいえ、私は撮像素子はAPS-Cをオススメしておきます。マイクロフォーサーズのカメラは実際には使ったことがないので、よく分からないというのが正直なところです。フルサイズは、APS-C機を使いこなして、自分にはどんなカメラが良いか分かるようになってからでも良いのかなと。その時期が早く来れば、APS-C機はサブカメラとして活躍してくれるでしょう。また、そもそも、フルサイズにしなくてはならない理由というのがあるのかという点もあります。フルサイズの方が、高感度性能が優れているとか、同じボケでも画角が広いとか、階調が豊かだとかがありますが、実際問題として、APS-C機でも高感度は十分だと思うし、階調っていってもそんなに違いますかね?って思うし、フルサイズの方が被写界深度を浅くできるということではあるけど、APS-C機のボケを見て、これ以上必要と思うかなってところです。それにフルサイズは一部の例外を除いて大きくて重いですからね。
■メーカーはどこがよいか
キヤノンが無難です。以上。
というか、おそらく、キヤノンだと初期投資が安くなると思います。何故ならキヤノンには一万円くらいで購入可能な50mm f1.8のレンズがあるからです。後述しますが、レンズ交換式カメラを購入したら、F値の小さい(2.0以下の)レンズを購入しないと勿体ないです。撮り方やシチュエーションによっては、コンパクトデジタルカメラでも、レンズ交換式カメラと遜色のない写真が撮れたりしますが、しかし、開放F値の低いレンズで撮ったボケを活かした写真は、撮像素子の小さいコンパクトデジタルカメラでは撮れません。
予算的な話をしましたが、ニコンであれば50mm F1.8のレンズは2万円くらい、ソニー、ペンタックスもそれくらいで買えます(ニコンの場合、D3000系やD5000系のカメラは、AF-Sと頭に付くレンズでないとオートフォーカスが使えないので注意。)。逆にいえば、1、2万くらいのことで選択肢を狭めてしまうのは勿体ないとも言えるので、好みに応じてで良いと思いますし、カメラの値段によっては、レンズ分くらいの差額が出るかもしれません。ただ、キヤノンはプロが多く使っているような気がします。また、プロが使うのなら、キヤノンかニコンしか選択肢はないと聞いたこともあります。それはレンズの数が他と段違いであるからということです。まあ、我々はプロではないのですから、そこまでこだわる必要はないかもしれません。普通に使えるレンズは各メーカーとも出しています(サードパーティ製のレンズや、中古のレンズまで考えると、キヤノンやニコンは有利でしょうね。ペンタックスも意外と良いような気がします。)。ただ、ペンタックスは今のところフルサイズのデジタルカメラを出していないという点は注意です。でも、ニコンでもキヤノンでもソニーの場合でも、APS-C専用のレンズというものがあり、わりと安く手に入るので、フルサイズのときは、レンズも買い直すと考えれば、ペンタックスでも良いかもしれません。ちなみに、ソニーは、NEXとα7がEマウント、α2桁がAマウントとなり、同じソニーでも使えるレンズが異なりますので、ご注意ください。
■レンズはどうするのか
まず、大抵のカメラにはレンズキットというのがあります。レンズ一本付きのセットを購入すれば良いでしょう。そのうち、もっと良いレンズが欲しくなり、キットレンズは使わなくなると思いますので、ダブルズームキットにはしない方が良いと思います。レンズキットをすすめるのも、カメラ本体単体で買う場合とそんなに値段が違わないからです。それどころかレンズキットの方が安い場合もあります。また、望遠ズームと言っても、大抵、55-200mmだと思います。望遠ズームとしては、18-270mmや18-300mmといった広角からもっと望遠までをカバーするレンズもあるので、例えば、運動会などで使うときも、レンズ交換をいちいちしないですむ=シャッターチャンスを逃さないということで、そういったレンズが欲しくなる筈です。それを購入してしまえば、ダブルズームの望遠の方のレンズは使うことは最早ないでしょう。
そして、レンズキットとは違うレンズとして、あと一本。レンズ交換式カメラの醍醐味であるボケを活かした写真を撮るために、F値の低い、そうF1.8くらいのレンズがコストパフォーマンスが良いので、これを購入し、絞り優先モードなどで、f値をできるだけ低くして撮ってみてください。
ただ、私が想定しているダブルズームキットは、APS-Cの最も安い一眼レフカメラです。これが例えばミラーレスだったら、レンズ2本付きでも良いかもしれません。FUJIFILMのXシリーズのカメラのレンズは、まだ数は少ないですが、どのレンズも素晴らしいと言われています。また、レンズ一本付きで15万円以上するようなセットだと、レンズもそこそこ良いレンズの筈です。そうなると、レンズキット用のレンズとは最早言えないかもしれません。欲しいレンズならそれで良いのですが、場合によっては、本体だけ買って、レンズは別途目的に合ったレンズを購入した方がコスト的には良い場合もあるかもしれません。
それと大抵のレンズにはレンズフードが付属しています。撮影するときは出来るだけレンズフードを付けた方が、画質の良い写真が撮れます。
■ミラーレスか一眼レフか
キヤノンやニコンやペンタックスにも、ミラーレスがないこともないけど、性能的にも価格的にも一眼レフの方を選択することになるでしょうね。ソニーはEマウントで撮像素子がAPS-CのNEXというミラーレスがあります。同じソニーで最近α7というフルサイズミラーレスが発売されました。また、FUJIFILMのXシリーズも撮像素子がAPS-Cのミラーレスですね。前述したマイクロフォーサーズもミラーレスです。コンパクトであることを重視するならミラーレスも良いのではないでしょうか。コンパクトであるとお店で料理の写真を撮るときも、そんなに目立たないというメリットもあります。もちろん、持ち歩きやすい=撮影機会が増えるとも言えるので、大きくて重いカメラを買って、使わないよりはずっと良いかもしれません。
■まとめ
要するに、とりあえず、
キヤノンイオスキスデジタル
のレンズキットと
EF50mm F1.8 II
を購入すれ良いんじゃないかということになります。私自身は、元々、ニコンのダブルズームレンズキットを購入し、今は
ソニーと
FUJIFILMを主に使用しています。最初に投資しすぎてしまうと、後で、自分が欲しいカメラやレンズが出てきたときに、そちらに換えることに躊躇してしまうと思います。初めは初心者でも、いつまでも初心者ではないのですから、自分が欲しいと思うカメラやレンズがきっと出てくると思います。キヤノンなら品質の良いもっと上位のカメラやレンズがあるので、いずれ自分が欲しいと思うカメラやレンズもカバーしてくれるかもしれません。だから、ニコンが好きだとかソニーが好きだとか、このデザインのカメラが良いとか、とくにそういったことがないのであれば、キヤノンで良いのかなと思います。でも、私自身はキヤノンのデジタルカメラは所有したことはないですし、個人的な好みとしてはニコンの方です。キヤノンを否定する要素がないということです。ソニーは、私の場合、
Sonnar T* 135mm F1.8 ZA
のレンズが使えるというのが大きいのですが、
α99はそのデザインも含め気に入っています。FUJIFILMは、APS-Cミラーレスとして見た場合、ソニーのNEXの方が性能や価格的にお手頃感がありますが、その写りとデザインが気に入ったものです。
■一緒に購入するもの
店頭で購入するなら、おまけで付けてくれるよう交渉しても良いかもしれません。
SDカード 高級機だとコンパクトフラッシュの場合もあるかと思います。量販店だと意外と高いので私はAmazonを使用しています。
SanDisk 32GB
などが良いのではないでしようか。
ブロアー レンズのホコリなどを吹き飛ばすものです。後述するレンズクリーナーを使う前には必ず使った方が良いと思います。
UNのブロアー
がオススメみたいです。なお、私は、手でシュコシュコするのはもちろん持っていますが、
エアダスター
を使うとかなり強力に吹き飛ばせるので、実は結構オススメです。
レンズクリーナー あまり使い過ぎない方が良いと思いますが、レンズとか指で触っちゃったりすると、脂が付いたりします。汚さないで使うのは難しいでしょう。まずブロアーでホコリ等を吹き飛ばしてから、優しくフキフキします。いろいろ売っていますが、私としては、
これ
と
これ
がオススメです。
これ
もいいらしいですよ。
液晶保護フィルム これは付けた方が良いです。液晶は保護しましょう。これがあったおかげで助かったことがあります。また、付けてても変わらなかったかもしれませんが、液晶を理由に修理に出したこともあります。
レンズ保護フィルター 私は最早使っていません。光学的にはフィルターを付けない方が画質の良い写真が撮れる筈です。とはいえ、付けたのと付けないで撮った写真を較べて区別できるかというと、それはかなり難しいのではないでしょうか。気になるのならレンズの保護のために付けても良いと思います。ただし、工場夜景などゴーストが入りやすい写真を撮るときは外した方が良いと思います。なお、レンズフードを付けることによっても、ある程度レンズは保護されます。
■いずれ購入するもの
もちろん、カメラと一緒に購入しても良いのですが。
予備バッテリー 旅行などに行くなら持っていた方が安心です。自分が撮る枚数が分かるようになってからでも良いかもしれません。私はかなりの枚数を撮影するので、予備バッテリーは買うようにしています。もっとも、1〜2時間くらいの撮影ならあまり心配はしませんが(カメラにもよりますけど。)。
ストラップ カメラに付いてくるので十分だと思いますが、長さ的には首からさげるものになります。たすき掛けのようにした方がカメラの重さも気にならないですし、デザインもいろいろ選べるので、そういう丈の長いストラップを別途買っても良いかもしれません。ちなみに私は
これ
をα99に付けています。
三脚 三脚を使わないと撮れない写真があります。例えば、渓流や滝などで、水の流れを白糸のように撮るには三脚で固定し、0.5秒以上のシャッタースピードにすると、とても簡単に撮れます。初めて、そんな写真を撮ったときは、感動しました。ぜひやってみてください。また、夜景などを撮るときも三脚はあった方が綺麗に撮れます。花火もちゃんとした写真を撮るのなら必須ですね。更に、ブツ撮りするときも、低ISOで撮った方が綺麗に撮れる(つまり、あまり明るくない場所で撮影すると、シャッタースピードが長くなり、ぶれやすくなる。ISOの値を上げればぶれないけど、画質とのバーターである。だから、三脚で固定し、シャッタースピードが長くなっても、ぶれないようにする。)し、アングルもカッチリ決められるので、三脚があった方が良いでしょう。とはいえ、三脚はかさ張るものですから、私自身そんなには使ってはいません。一応、
Manfrottoの三脚
を購入して使っていますが、そんなには使っておらず、どの三脚が良いのかと語れるほどでは・・・。それと、最近、
これ
を買いました。高さもなくかなり小さいのですが、一眼レフでも使えそうです。そして鞄に入れて持ち歩けるので、出先でちょっと滝などを見つけたときなどに使えるのではないかと期待しています。
ストロボ ストロボは使いどころが難しいですよね。ヘタに使うくらいなら、高ISOで撮った方がよほど簡単に綺麗に撮れたりします。多分、結婚式とかそういうときにはあった方が良いのでしょう。使うときは、天井が白ければ天井に、壁が白ければ壁に、反射させて撮ると良いでしょう。夜間撮影のときは、できればカメラから離して発光させることができるとより自然な写真が撮れる筈です。
現像ソフト ファイルサイズが大きくなるけど、せっかくなら
RAWで撮りたいところです。RAWで撮ったら現像が必要となります。カメラ付属のソフトでも良いのかもしれませんが、もうちょっと何とかしたいときに欲しくなる筈です。入手しやすく使いやすいのは、
Lightroom
でしょうね。Macなら、
Apertureも良いソフトだと思います。iPhotoでもある程度いけます。Lightroomはバージョンアップが早いような気がします。バージョンアップすると、バージョンアップ後に発売されたカメラのRAWファイルは、原則現像できなくなります。例えば、Lightroom 4だと、RX1は現像できるけど、RX1Rは現像できないなんてことが起こります。もちろん、バージョンアップと銘打つからには、それなりに新機能も搭載はしてきますので、それが良いとも言えるかもしれません。逆に、Apertureはなかなかバージョンアップしないので、そこが物足りないと言えば物足りないのですが、対応するカメラについてはアップデートしてくれるので、経済的ではあります。ただし、アップデートしてくれるまでに時間がかかる場合もあります。
■参考になるサイト
今見ている私のブログです。(●´ω`●)ゞエヘヘ えーと、
カメライフや
studio9が読んでいて楽しくてためになることが書いてあると思います。それから、
siesta styleの写真は私は好きです。カメラの噂を知るなら
デジカメinfoでしょうね。facebookなら
東京カメラ部に参加するのも良いのではないでしょうか。ちなみに、東京カメラ部の手にカメラを持ってるアイコンは私が撮影したものですよ。(ΦωΦ)フフフ…
■余談
最初はAPS-Cの安いカメラ買って様子見したらといったことを書きました。それは、同じAPS-Cの撮像素子を使っていれば、高いカメラでも安いカメラでも、写りはそんなに変わらないということもあります(むしろ、レンズの方がウェイトが大きい。)。値段の違いは、カメラの質感が良いとか、シャッタースピードがもっと速いのまで対応しているとか、オートフォーカスが優れているとか、ファインダーが優れているとか、防塵防滴であるとか、そんなところかと思います。もちろん、高いカメラの方が、使いこなしていくうちに、良い所が分かってくるとは思いますが・・・。それが、一般的な感覚として安いと言えるのかというのはもちろんあります。それなら、もう少し出して、同じAPS-Cでも、もう少し高級なカメラにしたいというのも分かります。キヤノンやニコンなら間違いはないのだから、そのあたりを最初から決めてしまって、それでずっといけばいいじゃないかと。そうかもしれませんね。でも、とくに、APS-Cって世代交代が早いので、新しいカメラがどんどん出てきます。あれだけのお金出して買ったのに、もう新しいのが、そして更に新しいのが!ってことが起こります。それなら、予算に余裕があれば、最初からフルサイズにしてしまうのも手ではあります。最近は、キヤノンの
6D
やニコンの
D610
やソニーの
α7
など、フルサイズと言っても、以前よりも購入しやすい値段で買えるようになりましたから。とはいえ、初めて買うのなら手は出しづらい値段。だったら、初めはAPS-Cの安いカメラで、もっとカメラのことが分かってきて、もっと性能の良いのが必要だと思うようになってから、そのときまでに得た経験で自分が欲しいカメラを改めて買ったらどうでしょうということです。キヤノンを使ってるとニコンが羨ましくなったり、その逆もあったり、ソニーが気になったり、ペンタックスが良さそうと思ったり、FUJIFILMに惹かれたり、SIGMAの写りに興味が湧いたり、欲しいレンズが出てきて、このレンズを使いたいから、このカメラが欲しいとか、次は何を買おうかなと悩むのも楽しいものですから。