古いレンズと新しいカメラで昭和を撮るというイベントでした。場所は、船橋にある「
みらSATO」です。首都圏最大級船橋ビックバン、人々の熱気とうねりは未来のふるさとへ向かう。人のぬくもりが暮らしに息づくふるさとを作ろうということで、未来のふるさと「みらSATO」プロジェクトと銘打っています。モデルルームでは、昭和の街並みを再現したスペースを併設し、そこから、現代・未来では、ふるさとがどうなるかを想起させようとしています。
今回は、その昭和の街並みと、未来の街並み(ジオラマ)を撮影しました。
撮影の前に、
澤村徹先生に講義をしていただきました。澤村先生によれば、現行レンズとオールドレンズとの違いは以下のとおりとなります。
■現行レンズ
現代的な描写
高発色、ハイコントラスト
AFレンズ
迅速な撮影が可能
叙事詩的な写真 ■オールドレンズ
レトロで甘い描写
褐色、低コントラスト
MFレンズ
カメラを使いこなす喜び
叙情詩的な写真オールドレンズは、レンズによって、個性がいろいろと違います。紗のかかったような写真が撮れたり、軟調でコントラストが浅く少し黄色味がある感じの写真が撮れたり、そうでありながら、ディテールがシャープな写真が撮れたり、また、一方で、Carl ZeissのPlanarのように、コントラストがあり、発色もよく、非常にシャープに撮れるレンズもあります。
オールドレンズを今のカメラに付けるには、マウントアダプターが必要になります。マウントアダプターは、ドイツ製は高くて良いけど、日本製は精度が良くて、値段がそこそこなので、初心者にはまず日本製の購入をおすすめするそうです。
撮影は、NEX-7の機能を使って、ピーキング(ピントの合っている箇所が紅く光る。)でざっとピントを合わせたら、拡大表示してピントを更に合わせて撮影する流れとなるそうです。
なお、ピントを合わせるときには開放で合わせて、半段から一段くらいちょい絞るとキリッとするそうです。
今回使用したカメラ
NEX-7
は、澤村先生のような方たちの間では、「なな」と呼んでいるそうで、NEX-7のことを「なな」と呼ぶと、こいつは、ちょっと違うと思われるかもしれません。今回は、澤村先生は、
NEX-6
も使われていたようですが、こちらは「ろく」と呼ぶのでしょうか。
さて、いよいよ撮影ですが、私が座った席に置いてあったのは、 MC S 1:3.5 f = 135 CARL ZEIS S JENA DDRです・・・。えーと、室内での撮影であり、それほど広くはない。しかも照明は暗い。135mmのレンズで、APS-Cということは、約200mm相当。参加者毎に違うレンズが配られているので、途中で、他の人とレンズ交換(というか、カメラごと交換)してください、ということだったのですが、このレンズと交換してくれって言うのはとても気が引けるのですが・・・。でも、後で、ジオラマ撮るのにいいよって
騙して言って、LEITZ CANADA SUMMICRON-R 1:2/50 と交換してもらいました。その後は、Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 に交換しました。
MC S 1:3.5 f = 135 CARL ZEIS S JENA DDR
MC S 1:3.5 f = 135 CARL ZEIS S JENA DDR
MC S 1:3.5 f = 135 CARL ZEIS S JENA DDR
MC S 1:3.5 f = 135 CARL ZEIS S JENA DDR
LEITZ CANADA SUMMICRON-R 1:2/50
LEITZ CANADA SUMMICRON-R 1:2/50
LEITZ CANADA SUMMICRON-R 1:2/50
Carl Zeiss Planar T* 1.4/50
Carl Zeiss Planar T* 1.4/50
Carl Zeiss Planar T* 1.4/50
Carl Zeiss Planar T* 1.4/50
Carl Zeiss Planar T* 1.4/50
Carl Zeiss Planar T* 1.4/50
Carl Zeiss Planar T* 1.4/50
Carl Zeiss Planar T* 1.4/50
Carl Zeiss Planar T* 1.4/50
NEX-7の機能ですけど、ピーキング機能が素晴らしすぎる。もはや、半AFと言っていいでしょう。AFの場合でも、ファインダーで見ながら、ピントがどこにあわせるか確認して撮るわけで、ピントが合うまでには、少しは時間がかかります。ピーキング機能を使う場合には、ピントリングを回す所だけ人力でやれば、後は、ピントが合わせたいところが紅く光れば、シャッターを押すだけです。意図しない場所にピントが合うことはないので、AFよりも優れている面もあるかもしれません。
今回使用したレンズは、なるべく癖のないレンズということで、扱いやすく、写りも良いものだったようです。私自身は、もはや、オールドレンズというより、高級なマニュアルレンズのつもりで撮影しました。
澤村先生からは、レンズの選び方についても、教えていただきました。強いLEDの光をレンズに当てると、レンズの状態が良く分かるということです。でも、店頭で、LEDで光を当てるなんてことをやるのはちょっと・・・。そんなわけで、店頭で見ても、レンズの良し悪しはそんなにはよく分からないので 、ある程度信頼できる出品者を選んで、 オークションで買っても良いということでした。同じレンズを何回か買い換えて、良いレンズに辿り着くということもあるようです。そもそも、数十年、場合によっては半世紀も前のレンズなのだから、多少、何かあっても、撮影に影響がほとんどないのであれば、良いのではないかということでした。それでも、カビだけはo(*≧□≦)o″ダメ!! キズは前玉はあまり(・з・)キニシナイ!! 後ろ玉は周辺部分であれば、v(ゝc_,・。)oオッケー♪ いずれにせよ、コンディションと値段のバランスで判断する。外観はフィルター枠が凹みがあるのは、光軸に影響を与えている筈だから気をつける。また、絞ったときの絞り羽のオイルに注意。絞りバネのオイルに問題があっても、クリーニングすればよいが、それには、1万円ちょっとくらいかかるので、それを込みで考えるということでした。
今回使ったオールドレンズは、良すぎたのか、古さを感じさせませんでしたが、古いレンズで古いモノを撮るという考えは、なかなかそそるものがあります。それに、オールドレンズは、いろいろな国のレンズがあり、また、安くても良いレンズもあるようで、楽しそうです。
昭和の街並みというと、上野にある
下町風俗資料館がありますね。今回の「みらSATO」に近いイメージがあります。でも、あそこは、撮影できないんですよね。屋内で言えば、もっと大きいというか、すごく大きい、両国にある
江戸東京博物館があります。でも、やっぱりオススメは、小金井にある屋外の
江戸東京たてもの園ですね。あそこで、オールドレンズで撮ってみたいなー。
私が持っている
X-Pro1でも、オールドレンズは使えます。ライカMマウントなら、FUJIFILMがマウントアダプターまで作っている程です。EVFでも、拡大表示させることができるので、ピントもしっかり合わせられる筈です。輪郭強調をして、ピントが合っているところが分かりやすくしてくれる機能もあります。せっかく、X-Pro1を持っていて、今回、オールドレンズの一端に触れることができたのだから、これからはオールドレンズの世界も覗いて見たいと思うのだけど、でも、NEXのピーキング機能のあの手軽なフォーカスを知ってしまうと、オールドレンズを使うのなら、やっぱり、NEXなのかなーと。というか、X-Pro1にピーキング機能さえ付けてくれれば、それで良いのですけど。さすがに、
α99を買った後に、NEXまでは買いませんよ。でも、すごく安く売ってたらどうしよう。