橋本先生のポートレート講座第15期第2回目、テーマは夕暮れ時です。モデルは、ポートレート講座 2.1 でも登場した今井七菜子さん、場所は制作講座でも撮影した清洲橋です。
だんだん日が傾いていく時間。まずは、日が当たっている所で撮影です。でも、太陽は、雲や建物にすぐに隠れてしまいました。
太陽が建物に隠れてしまっても、まだいくらか明るいとき、メインの被写体と背景との明暗差を活かして撮ります。
この写真は、川が明るく、ここで撮ると、人の輪郭が浮かび上がります。頭までの背景を川にするともっとその効果が得られたかもしれません。ここでは、人もそれなりに明るく写していますが、もっと暗くしてもっと輪郭を活かしても良いようです。
モデルを暗いところに連れて行って、背景を明るく飛ばした写真です。
今度は背景を暗くして、モデルを浮かび上がらせている写真です。
さて、そろそろ、ストロボを使い始めてもいい頃合いになってきました。でも、背景はまだ明るい状態。レフ板にストロボをバウンスさせて撮影しています。なお、ストロボを使うときは、露出を安定させるために、マニュアル露出で撮る方が良いそうです。なお、ストロボもマニュアルで調整しています。全部オートにするという方法もあるかもしれませんが、橋本先生の経験では、ストロボでは、マニュアルで撮った方が思い通りに撮れるそうです。
後ろを振り向くと、空がいい感じの色を出していました。ここもレフ板でバウンス。光は右側からにしています。つまり、川の方にレフ板を持ってきています。橋本先生にがんばってレフ板を持ってもらいました。ありがとうございます。
さらに暗くなってきて、橋もライトアップされてきました。我々が立っている場所の街灯も明るくなってきました。ここで、先生から質問がありました。この場所で撮影するのに気をつけることはなんでしょう? 答えは、モデルに直接当たる街灯の光を避けるということです。ストロボで明るくするのであれば、街灯の光が混ざらない方が、変な光が入らなくて良いということです。つまり、モデルを暗いところに連れて行くということです。
なお、前回もやりましたが、夜景とモデルを組み合わせるときの撮影は次のようにします。まず、モデルを入れない状態で(でも、モデルをどこに入れるか考えながら)、背景を選び、構図を決めます。そして、ちょうど良い露出となるように、シャッタースピード等を調節します(絞りをどうするかは、背景をボカすのか、そうでないのかで考えます。)。次にモデルに入ってもらいます。ストロボを焚いて、シャッタースピードの間だけ動かないでいてもらいます。背景が暗すぎると思えば、シャッタースピードを長く、人物が暗すぎると思えばストロボを強くします。
それで、撮ったのが以下の写真。ゴーストがちょっと出ています。ゴーストは、あっても、そんなに問題にならない場合があるということで、この写真では、OKかもしれません。あと、広角で撮っているため、手前に来ている手が、ちょっと大きく見えているようです。
ゴーストの位置を実際の照明の位置と重ねて消したのが、次の写真。手もレンズから遠い方を伸ばしてもらいました。左腕が少し見えても良かったかもしれません。また、現場では気づかなかったのですが、細かい髪の毛が顔にかなりかかってしまっています。ここは、風が吹いているときは、こういうことがありうるということを覚えておいて、次からはそうならないように工夫したいものです。
でも、この場所の近くの街灯が明るい場所で、ストロボを使わずに、ISO1250で撮ったのも、それなりに良く撮れているようです。
最後に橋の上で撮影です。ここでは、広角のレンズを使って、橋の姿をもっと入れてもよかったかもしれません。もちろん、ストロボを使っています。
今回はストロボを使った撮影はすべてレフ板に反射させて撮っています。ストロボ自体はカメラに直付です。前回はストロボをカメラから離れた場所で持っていただいて、モデルに光を当てていましたが、どうせ持ってもらうのなら、レフ板の方が綺麗に撮れる筈という理屈からです。先生によれば、確かに、レフ板の方が綺麗に撮れるけど、実際に、レフ板を使うとなると、風が強かったりすると大変だし、ストロボなら固定や調整も割りと楽なので、レフ板よりも、ストロボを直接当てることの方が多いそうです。
また、今回使用したストロボは先生からお借りしたもので、フルマニュアルです。非常にシンプルな作りで、液晶のようなものはついてなく、光量を調節するのも、目盛りのついたスライダーを動かして設定します。これだと、手探りでも、設定変更ができるので、なかなかの優れものでした。また、シンプルであるにもかかわらず、ストロボの向きは自在に変えることができ、バウンスも万全です。また、シンクロターミナルにケーブルをつないで、カメラから離して撮ることも簡単です。今度、どこかで売っているのを見かけることがあったら、購入したいと思います。