橋本先生のポートレート講座第10期最終回です。第10期はドアノーのようにをテーマに3回実施する予定だったのですが、天候の都合で1回実施できず、そして、大人の事情で、男女ではなく、女性モデルが二人になり、それにあわせて、テーマがサラ・ムーンのようにとなりました。
いい写真は、なぜいいのか、そのシーンの写真の魅力の要素が何なのか読み取る。いい写真の真似をすることによって、自分の問題点が見えてくるというのが、第10期のテーマのようです。
モデルは、piece×peaceの岡本美月さんと爽葉ゆきさんです。
まず室内で撮影です。今回、参考としたサラ・ムーンの写真は、画像検索しても出てこないので紹介できないのですが、女性三人が座っていて、手前左側の人は右向きに座っていて、なにか真剣な眼差しをしているようにも見えます。真ん中やや左側の人は正面を向いていて目をとじています。右側の人は後ろ向きに座っています。サラ・ムーンの独特の光の中、不思議な緊張感のある写真でした。
元の写真に写っている三人は、ほぼ同じ大きさに見えていました。このことから、望遠で撮ったことが分かります。広角で撮ると、近くの人が大きく、離れている人が小さくなり、一番近くにいる人が強調されてしまいます。誰か一人が大きくなったり、小さくなったりすると、この微妙な感じはでない。
今回の撮影では、モデルは女性二人のみ。モデルではない男性に手前に座ってもらいましたが、でかいので、全体を写さないで切りました。
何枚か撮ったうち、まとまっていて、バランスはいいんだけど、なにか物足りないという写真があり、どうしてだろう? という話になり、それは、頭の上にスペースが空きすぎているから、との先生の指摘がありました。確かに、元の写真は、頭の上はギリギリのところで、ほとんど空白はありませんでした。それが、この写真の独特の圧迫感を出しているのだと。
縦の写真も撮ってみました。
また、男性は大きいので、ミシンの向こう側に行った写真も撮りました。なおサラ・ムーンの元の写真には、ミシンなどはありません。この写真での演出となります。
このあと、室内で自由撮影です。私が持ってきた英語の絵本をモデルの二人に読んでもらいました。
また、受講生のOさんがクッキーを持ってこられたので、食べているところ。
さて、次は外での撮影です。元の写真は、森の中でしょうか、太めのまっすぐな木が綺麗に手前から奥に並んでいて、手前の木の横に女性二人が自然な姿で立っています。二人とも制服を着ているのでしょうか。黒っぽい同じ服を着ており、木漏れ日が部分的に当たっている。背景の地面も木漏れ日が美しく、更に、木々の向こう側からは強烈な光。半分よりやや上は、木々の大きめな葉が写っています。
そんな写真なのですが、近くの公園で10分でロケハンしてぐるっとひと通り回ってみたのですが、そんな条件で撮れるような場所は見つけられませんでした。そこで、私は、背景に木々があることで雰囲気が似ているような場所を選び、撮ってみました。
お手本にしたサラ・ムーンの写真はセピアっぽい色で、木の黒と光のコントラストが美しい写真でした。そこで、帰ってから、Apertureで、色を調整し、木はくろっぽくなるようにしてみました。また、構図も膝から上になるようにトリミングしてみました。そのことにより、木々のうるささも抑えられ、雰囲気も印象的なものに変わり、私としては、少しサラ・ムーンの写真に近づいたような気がします。
さて、今回は女性二人がモデルということで、図らずも当初の私のリクエスト通りになりました。女性二人の場合、男女のときのようにドラマティックではないけれども、柔らかな雰囲気の写真が撮れたように思います。
次回、第11期もサラ・ムーンのようにをテーマにするようです。二人を撮影することや、有名な写真を真似して撮影してみる、というのは、なかなか他にはない講座だと思います。